農業と福祉、広がる連携。

2019年版『食料・農業・農村白書』では「スマート農業」と並ぶ特集として、農業と福祉の連携「農福連携」がテーマとして採り上げられた。
近年、障害者や生活困窮者、高齢者等の農業分野への就農・就労を促進する「農福連携」の取組が各地で活発になっている。農業を行うことで、障害者や生活困窮者たちに自信や生きがいを与え、社会参画を後押しする。
農業分野においては、働き手の確保や耕作放棄地の解消が課題となっている。農業経営者が障害者を受け入れることは、労働力の確保だけでなく、障害者の障害に応じた作業や環境を提供することで生産工程や作業体系を見直す機会となる。また、農業生産の拡大、効率化につながる効果が期待できるうえ、丁寧な作業、根気強い作業等、障害者個々の特長を踏まえ活かすことで良質な農産物の生産やブランド化につながる効果も期待できる。
福祉分野においては、就労先の不足や、障害者の工賃・賃金の低さ等が課題となっているが、農業で障害者の社会参画の場の拡大や工賃・賃金の向上につなげられる可能性が大きい。さらに、農産物の加工・販売等を通じて地域コミュニティの維持に貢献するなど、その役割を拡大する例も見られる。
「経済財政運営と改革の基本方針2018」や「未来投資戦略2018」においても、農福連携の推進が位置付けられており、全国各地で取組が広がりつつある。
『白書』ではこのほか農福連携の実例も10カ所紹介された。