遺伝子解析に新手法、稲の収量に関わる遺伝子の確認に成功。

イネの収量増加を目指し、遺伝子からのアプローチが多く行われている。龍谷大学、名古屋大学、理化学研究所の共同研究グループは、イネの収量に関わる遺伝子を確認したと発表した。
収量に関わる遺伝子の同定(確認と決定)は極めて重要視だったが、関連する要素が多く複雑であることから困難とされていた。イネの丈や穂の数、構造だけでなく、発芽から花が咲く前の日数なども収量と関係があることが知られている。それらの要素を総合的に解析することが必要であり、従来の遺伝子同定手法では難しかった。
今回の共同研究グループでは、従来の遺伝子同定手法であるゲノムワイド関連分析(GWAS)に機械学習を組み合わせて同定を行った。GWASは、イネ個体の特定の特徴と関連するDNA配列の違いを統計的に検出する手法である。
GWASによってまずは169品種のゲノム情報を得て、主成分分析と呼ばれる機械学習の手法によって、イネの収量に大きく関わる「草型」の指標となりうる特徴量を抽出した。その特徴量に関係のあるDNA配列の情報をGWASの結果と統合することで、イネの収量に関連する草型に関わっている遺伝子を同定することに成功した。
近代になって品種改良されてきたイネの品種の多くは、丈の低い「穂数型」と呼ばれるタイプだが、穂数型のイネは、丈の高い「補重型」と比べて多量の肥料が必要。最近は環境面からより少ない肥料での栽培が求められているため、穂重型の中から収量の多い品種を選抜することが望まれていた。今回の結果はその点でも大いに役立つ成果といえる。
のGWASと主成分分析を組み合わせた手法はイネだけでなく、他の植物種にも応用可能。さらに、収量だけでなく、病気や環境への耐性など、栽培に大きく関わる遺伝子同定への利用も期待できる。