ナメクジに寄生するセンチュウ、生物農薬へ応用期待。

東邦大学と近畿大学の研究グループは、国内の広範な地域で、ナメクジカンセンチュウ属の線虫がナメクジに寄生していることを確認。さらに、本属線虫感染地でナメクジを採集して室内で飼育すると、やがてナメクジが突然死亡しその死体の中でたくさんの線虫が動く様子が観察された。
国内では、かつてこの線虫の分布は未知だったが、研究によって、この線虫が本州のナメクジに広く感染し分布していることがわかった。今回見出された線虫は、その形態からナメクジカンセンチュウ属という線虫の仲間。感染地で採集したナメクジを室内で飼育すると、やがてナメクジが死亡して死体から線虫が沸いて出たことは、寄生に伴い宿主ナメクジ類が死亡し、その死体を線虫が利用して増えるという、海外の本線虫類で観察された事例と似ていた。実際に、この仲間の線虫は、海外では「スラッグ・キラー(ナメクジ殺し)」として知られており、ヨーロッパでは大量生産されて環境にやさしい生物農薬として販売・使用されている。
寄生が原因でナメクジが死亡しているのであれば、この線虫は生物農薬として利用可能であるわけだが、日本で見つかった線虫と、海外で知られている線虫が同じ種なのか違う種なのかもまだ調べなければならないという。